平成30年度介護報酬改定の動向(通所介護)
今回も平成30年度介護報酬改定の動向を取り上げたいと思います。政府は12月18日の平成30年度予算編成における閣僚折衝で介護報酬の改定率を+0.54%に決定しました。平成27年の前回改定では△2.27%(処遇改善加算を考慮すると実質△4%)とマイナス改定であったため、今回は若干ではありますがプラス改定にちょっと安心した事業所も多いのではないでしょうか。しかし、個別に改定案の動向を見ていくと厳しい改定案が多く見られます。通所介護もやはり厳しい改定になりそうです。
今回の通所介護の改定でどの事業所も決断を迫られる改定が、サービス提供区分を1時間ごとにする改定です。通所介護はサービス提供時間がどの時間区分に入るかで報酬単位が変わってきます。例えば、提供時間が7時間30分の場合、現状では下表のとおり7~9の時間区分に入りますが、時間区分が見直された場合7~8の時間区分となります。おそらく現状の7~9の報酬単位は8~9の時間区分に適用されるため、ワンランク下がる7~8の時間区分では現状より報酬が下がるのではないかと予想されます。報酬維持のため提供時間を延ばすか、報酬ダウンを受け入れるか選択を迫られることになります。平成24年に行われた6~8hを7~9hに変更した改定が思い出されますが、この時はほとんどの事業所は報酬単位が下がらないよう提供時間を延ばしました。その結果、利用者は帰宅時間が遅くなり、職員は残業が増えたことに対し不満が生じました。今回も職員の勤務状況見直し、利用者への説明など考えると難しい選択になるでしょう。
そのほかの改定では外部のOTなどリハ専門職と共同で個別機能訓練計画を作成したことに対する加算の創設、大規模事業者の報酬引き下げなどが予定されています。
【文責:竹内光彦】