自立支援の介護報酬インセンティブ
今年6月に官邸主導で行われた未来投資会議において、「次期介護報酬改定で、効果のある自立支援について評価を行う」という方針が示されました。これを受け、自立支援のアウトカム(結果)に対するインセンティブ付与が本格的に議論されています。
「事業者が積極的に利用者の自立支援を行うと要介護度が軽減され介護報酬が下がってしまう」という問題に対し、このインセンティブ付与は有効な改善策の一つです。その反面、「要介護度の改善が見込まれる利用者だけを介護することにつながる」「利用者は複数のサービスを受けているため、どのサービスが改善につながったか判断が困難」などの問題点もあり、どのような内容になるか注目されるところです。
8月23日に行われた社会保障審議会介護給付費分科会では、世界保健機関の国際生活機能分類を基に自立の概念を「心身機能・身体構造」と「活動・参加」に分類しており、利用者の機能回復、ADL向上はもちろん社会への活動・参加に対しても意識しているようです。また自治体の取り組みが3例紹介されており、要介護度改善に対する報奨金、認証シールの交付、指標達成事業所の公開と表彰などが示されています。今後このような内容が制度設計の参考事例として考えているものと思われます。
具体的な改定内容がわかるのは来年になると思われますが、今後さらに自立支援の強化が求められることは確実のようです。
<文責:竹内光彦>