経審の改正方針発表
国土交通省は、今後の経営事項審査の見直しの方向性を発表しました。今回の見直しは大手企業と中小零細企業の違いを考慮してあるため、企業規模により評価項目に大きな違いがあります。そのため中小企業に関係する見直しについて説明します。
X1 完成工事高(業種別)
現在は完工高が0円でも最低569点がもらえましたが、改正後は0に近い評価点数となり、完工高が小さい企業間で大きく差が出るようになりそうです。
一方でウエイト比率を35%から25%へ下げ、完成工事高偏重を是正しようとしています。
X2 自己資本 職員数(完成工事高)
自己資本、利益、付加価値の金額を評価項目として、職員数の評価をなくす予定です。
中小企業には、極端な差がつかないような評点分布となるとのことです。
Y 経営状況
企業実態に比べ過大な評価が行われるという批判を受け、中小企業では評点分布が現行ほどバラつかなくなるようです。また経営状況分析の指標の全面見直しを予定しています。
Z 技術者数(業種別)
現行の技術者数のほか、研究開発費と元請完工高を評価項目に加えウエイト比率を20%から25%に引き上げます。
W 社会性 中小企業に一番影響がでそうな評価項目はW(社会性)です。評点の上限を引き上げ、評点分布のばらつきを広げます。いいかえればライバル企業と差がつくのはこの項目です。また建設業法に基づく処分の有無を評価対象に加え、工事安全成績、賃金不払い状況を評価対象から廃止します。