顧客を維持することが安定につながる
(財)建設経済研究所が先月、建設経済レポートの中で「成熟期を迎えた建設市場を乗り切る安安定的な企業経営のあり方」を発表しました。今回は、その中に掲載されていた成熟期でのビジネネスモデルを紹介します。
建設業は成長期を過ぎて成熟期を迎え、仕事量の減少は構造的要因(産業構造の空洞化、人口や世帯数の減少等)を抱えています。本業であるこれまでの一般的な建設工事業務だけでは
①売上・利益の見込みが立てにくい
②大量生産は難しい
③キャッシュを生み出すまでの期間が長い
④収益が一過性のものであることから、継続的に安定した経営基盤を維持することは困難になってきています。
ではどうしたらその困難な状況を打破できるのでしょうか。
打開策の具体例としては、
①1年・5年等定期的に点検し、メンテナンス工事や小さな営繕工事を積極的に行う
②住宅から波及する資産活用・管理の相談を受ける
③息子さんの新築にお応えする
④住宅を建築した後に造園工事を行う
⑤高齢によるバリアフリー工事等の改築・建て替えなどが挙げられます。
つまり建設物を媒介とし、施主と確固たる人間関係を構築して一生涯お付き合いしていくことが重要なのです。このようにお客様を囲い込み、継続的な取り引きを行うことをストック型ビジネスと呼び、今までの建設業のように建ててお終いという一過性のビジネスを逆にフロー型ビジネスといいます。
これからは、建設物は建ててしまえば終わりではありません。引き渡しを終えてからこそが会社としてのとしての腕の見せ所だと考えられます。