原価管理はどうなっていますか
建設会社の原価管理は、大筋ではどの会社も同じです。経験豊富で流れが頭に入っている社長もいれば、未だに頭の中であやふやになっていて日々の現場に追われている社長も少なくないでしょう。そこで、今号は改めて原価管理の流れをまとめてみました。
(1)競争力のある標準単価から見積原価を算出する。
(2)粗利益額・粗利益率を設定し、見積金額を決定する。
(3)施主との契約金額から目標利益を差し引いて、現場ごと実行予算を作成する。
(4)実行予算を基準として発注管理を行い現場の最終的な目標粗利益額を決定する。
(5)実行予算を基準として、目標に対する差異を評価する。
(6)発注単価・歩掛かり実績をフィードバックし、必要に応じて標準単価等を修正する。
また差異の大きな現場については、差異分析を行いフィードバックする。
会社によっては実行予算検討会で組織的にコストダウン策を検討し、実行予算が適正かどうか判断してみてはいかがでしょうか。完了時に工事報告会や反省会などで実績を検討し、ノウハウを収集することが重要となります。
上記の項目は従業員が大勢いる会社がやれば良いと考えがちです。しかし家族経営の中小会社ほど原価の流れを理解して全員が現場のコストを意識しなければ、これからの時代を生き抜いて会社を維持・発展させることは難しいのです。
(参考文献:「建設業コスト管理の極意」中村秀樹 著)