自社の「型」を構築する強み
前号では原価管理の流れを説明しましたが、今号では建設会社が勝ち組のポイントとなる「型にはめる」ということについて説明します。
「型にはめる」というのは、基本の作業工程で発生する技術面や設計・施工上のルールなどの品質を画一的にすることです。例えば新築住宅を建築する工務店の場合には、デザインや機能・性能を安定したコストで常時再現することが、これに該当します。
「型にはめる」ことを行うことにより以下のようなメリットがあります。
① どのような現場でも基本の作業工程での原価が明確になり、品質や原価の管理がし易くなる
② 基本の型があることにより、現場での施工改善のポイントが浮き彫りとなり、さらなる生産性の向上検証が可能
③ 現場生産の仕組みが確立されることにより、自社の現場監督の誰が担当しても標準化されたものとして施主に提供することができる
住宅を建築する場合に「型にはめる」作業が確立していれば、現場監督が職人と話し合い「型にはめる」基本部分と住宅ごとの個別部分を把握することにより、工事の進捗管理上で想定外の赤字がでることを防ぐことができます。
住宅を施工する工務店を例にして書きましたが、「型にはめる」ことについては住宅以外の公共工事等を行っている会社にも生き残るための絶対条件となります。自社の「型」を見つめ直しつつ、より良い経営のアプローチの手法として検討してみてはいかがでしょうか。