空き家の現状および将来をどう捉えるか
車で外回りをしていた時に、道沿いに人の気配がない家が増えたなと感じたので、全国の空き家について調べてみました。
総務省の平成20年住宅・土地統計調査によると、全国の総住宅数5,759万戸に対して、空き家は757万戸となっており、空き家率は13.1%と過去最高となっています。都道府県別でみると、最も空き家率が高いのは山梨県で20.53%。ちなみに長野県は18.37%とベスト5に入っています。また、すべての都道府県で空き家率が10%以上となっています。
空き家の総数はこの20年間で倍増しています。
さらに人口の減少に伴い2015年をピークに世帯数が減少し、空き家はますます増加してくと予測されています。富士通総研の調べによりますと、現状のまま推移した場合、空き家率は15年後には全国平均で最大で23.7%に達する可能性があるとも報じています。この問題は、今後大きな社会問題になることは間違いありません。
「空き家が増える」からといって、単純にリフォーム需要が増えることにはならないでしょう。今後も世帯数というパイは縮小していくからです。
しかし、この問題はチャンスとして捉えることもできます。もっと言えば、住宅に関わる企業にとっては、この状況による潜在的なチャンスをモノにしなければ、生き残ることが難しいとも言えます。
平均所得が伸び悩んでいるわけですから、消費者にとって値打ちになった中古住宅という選択肢は極めて重要なものになっていくことが予想されます。都会に住むプチ富裕層の団塊の世代の方にとってみれば、あこがれの信州にセカンドハウスをもつことも1,000万円以下で可能になるでしょう。上手に時代を先読みし、こうしたニーズに適応していくことが必要です。