低入札価格調査基準価格の見直し
国土交通省は、5月16日以降に入札公告する同省所管の直轄工事を対象に、低入札価格調査基準価格を改定しました。算定式のうち一般管理費の割合が現行の「30%」から「55%」に引き上げられます。これにより、平均的な工事の落札価格は予定価格の86%程度だったものが、88%程度になる見込みです。
また、都道府県や地方自治体にも計算の見直しの要請が出されました。
工事の調査基準価格は、直接工事費の95%、共通仮設費の90%、現場管理費の80%、一般管理費の30%の合計額に1.05を掛けた金額とされていました。このうち、一般管理費の割合が25%引き上げられました。一般管理費は全体の8%程度を占めるため、引き上げにより調査基準価格が2%ほど上昇することになります。
今回の引き上げは、支出実績を調査したところ一般管理費を55%以下で計上する工事では、工事成績評定点が低くなる傾向がみられたことから、実施されることとなりました。一般管理費には社員の給与や法定福利費、事務費、減価償却費など工事を施工する上で必要不可欠な費用が盛り込まれています。この費用を確保することが工事の品質にもかかわると判断されました。
(低入札価格調査基準とは)
契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められる場合の基準で、この基準に基づいて算出した価格を下まわった場合には、履行可能性についての調査を実施し、履行可能性が認められない場合には失格となります。