残業を抑える
厳しい経済情勢の下で、各企業とも売上は減少しております。当然生産量も減るわけなので、人件費などの経費も抑制していかなければなりません。しかしながら、一部の社員、特定の部門については、「仕事が減っているはずなのに、残業が思うほど減っていない」という経営者の不満の声を耳にします。なぜでしょう?
以前から恒常的に残業を行っている社員からすると、残業時間もいわば「定時」となってしまっていたり、残業代も「固定賃金」となってしまっているケースが見受けられます。また残業を多く行うことで、会社における存在意義を見出す社員までいます。そういった慣例のある会社で残業を抑制することは難しいのかもしれません。
労務管理の本などを読みますと、「残業は必ず許可制にして無断残業は認めない」とか、「時間になったら強制的に電気を消してしまう」などと書かれています。確かにそういった管理は絶対に必要です。しかし、それだけで根本的な解決になるのでしょうか?
例えば、派遣会社であれば、残業をすればするほど派遣料を多くもらえるので、むしろ残業はしてもらいたいのです。普通の会社でもきちんと売り上げが出ていれば、残業はしてもらいたいのです。
時間当たりの付加価値がいくらなのか計算してみてはいかがでしょうか?
時間当たりの粗利等を労働時間で割り、1時間当たりの付加価値を計算します。それを社員に対しても、きちんと数字で示し、時間単価を高めることを徹底させるのです。場合によっては部門ごと競わせてもいいと思います。
時間当たりの儲けを上げるためには、分母となる時間を短縮しなければなりません。そうすると自然と効率よく仕事をこなすようになってきます。また、無駄な作業も見直すようになり、結果として残業も減ってきます。仮に残業したとしても、時間当たりの儲けが減っていなければ、会社の利益は増えるはずです。そしてなにより、社員にそういった目標を持たせ、より付加価値の高い仕事に目を向かせることが、会社の発展に大きく寄与します。