女性の雇用活用
最近、当事務所の関与先においても育児休業を取得する女性が以前に比べ増加しているように思えます。実際に統計を見ても、平成8年頃には5割を切っていた取得率が、今では9割を超えるようになってきました。(男性は1%程度) 一方、出産を機に退職する女性の割合は7割と比較的高い数値になっています。
こうした女性に対する雇用の維持、また少子化といった背景をもとに、育児・介護休業法の改正が行われました。特に注意したい改正のポイントとしては、短時間勤務制度の義務化です。
3歳までの子を養育する労働者が希望すれば、短時間勤務制度(1日6時間)を設けなければならない。
※常時100人以下の労働者を雇用する企業は、施行までに猶予あり。
育児休業後直ちに、子育てをしながら常勤フルタイム勤務することは、実際にはなかなか難しいことでしょう。パート従業員として再契約し、勤務しているケースも多いかと思います。今後はこの点について、パート従業員とするのではなく、正社員という地位は確保したまま、短時間で勤務する雇用形態が選択肢として出てきます。その後、子育てに一段落ついたら、またフルタイムで働くといった具合です。国としても、このような制度を導入した企業には助成金を支給するなどの支援がありますので、検討してみてはいかがでしょうか?
話は少しソレますが、某大手アパレル企業では、女性の活用ということで、残業なし、土日も休める女性店長というのを導入したケースがあります。当初売上の減少も予想されましたが、その影響はほとんどなく、むしろ、短時間で集中して業務を行うため、逆に効率が上がり、他の社員とも協力関係が形成された、といった事例もあります。労働人口の減少が予測されるなか、女性の雇用の活用というのは今後の企業の課題となってくるでしょう。