賞与について考える
夏季賞与の支給時期になりました。ある関与先からボーナスではなく基本給をもっとベースアップしたいという相談がありました。賞与は法律上、ある程度支給額を上下できますが、逆に毎月決まった基本給を下げることは難しいです。そういった意味では賞与の方が調整をしやすいので、賞与にウエイトを高めにする企業が多いかと思いますが、次のような考え方もあります。
強化理論
動物でも人間であっても、ある行動に対して報酬を貰えるとすれば、またその行動を取ろうとします。給料が貰えると思うから働くといった具合です。では、毎月同じ給料を同じ時期に支払う方法のみが良いのでしょうか?おそらく毎月同じ給料ではそれが当たり前になってしまい、働くという行動があまり取られなくなってしまうかもしれません。
スキナーの強化理論によれば、望ましい行動に対してその都度報酬を与えるより、何回かに一度報酬を与える方が、望ましい行動を習慣づけるのに効果があるとしています。その心理は「ある行動により報酬を得られた。しかし、報酬を得られない場合もある。だからといってその行動をやめてしまうと、いつかは貰えるであろう報酬を受け取るチャンスを逃してしまうかもしれない。だからその行動をとり続ける。」ということです。ある意味、人がギャンブルにのめり込むのに似ているかもしれません。
前述の相談のケースに対して、この答えが適切かどうかは別として、毎月決まった月給を支給するより、賞与という報酬に業績や人事評価といった意味を持たせて支給した方が、モチベーションをアップすることができるといえるのではないでしょうか。