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求人時の逆選択

中小企業では新卒採用より、通年採用による中途採用者が多いかと思います。中途採用者の求人を行う際に、給料をいくらに設定しようか迷われる方もいらっしゃると思いますが、こんな考え方があるので、紹介したいと思います。
   
例えば、ある保険会社が保険を売るにあたって、健康な人なら月額10,000円の保険料でもいいが、不健康な人なら月額20,000円はもらいたいと考えました。しかし、誰が健康で、誰が不健康か分からないので中間をとって月額15,000円の保険料に設定しました。一見妥当な設定のようにも思えますが、健康な人からみれば割高な保険料であり、不健康な人からはみれば割安な保険料となります。結果、不健康な人ばかりが集まってしまう、これを逆選択(アドバースセレクション)といいます。

では、これを求人で考えてみます。優秀な人材なら時給2,000円は出してもいいけど、無能な人材ならせいぜい時給1,000円が限界だとします。しかし、誰が優秀で、誰が無能なのか分からないので中間をとって時給1,500円としました。もうお分かりですね。時給1,500円は、優秀な人からみれば低い金額であり、無能な人からみれば魅力的な金額となります。よってこの理論によれば、無能な人材ばかりが集まってしまうということになります。

それなりの給料を支払わなければ、それなりの人材を集められないということになりますが、例えば、保険会社が禁煙者の保険料を安くするように、時給は1,500円だけど、「経験者は厚遇します」「○○の資格をもっている人は資格手当が出ます」など条件を付し、こちらから求人に関する情報を提供することによりこの問題を回避することもできます。求人募集の際に、ちょっと工夫してみてはいかがでしょうか?

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