有給休暇の取得率
平成22年「就労条件総合調査」(厚生労働省)が発表されました。そのうち有給休暇の取得率について見てみたいと思います。
労働者一人平均年次有給休暇取得状況 | ||
平均年休付与日数 | 取得日数 | 取得率 |
17.9日 | 8.5日 | 47.1% |
これを業種別にみると、最も取得率が高い業種が電気・ガス・熱供給・水道業で74.2%、最も低い業種が宿泊業・飲食サービス業で31.4%となっています。また規模別に比較すると従業員数が増えるに従い、取得率が上昇し、30人~100人未満では41.0%ですが、逆に1,000人以上では53.5%となっております。
労働集約的な産業であるサービス業は、飲食業にかかわらず取得率が相対的に低い統計となっています。企業規模についても、少人数の事業所では1人あたりのウエイトが高く、1人でも休まれると業務に支障きたしてしまうため、取得率が低くなっているということがうかがえます。実際に10人未満のサービス業ではなかなか年休が取れないし、取られると困るというのが実感です。 取得率は、ここ数年比較してもさほど大きな変化はありません。しかしながら国としてはワークライフバランスが叫ばれるなか、年休の取得率についてもさらに向上させたいと考えております。
また働く従業員の意識についても、「有給を使わないと損」というように考える人も見受けられます。そのため年休が取れたことに対する満足よりも、年休が取得できないことへの不満の方が強くなってしまうこともあります。企業としても、ある程度の年休は消化させることを前提に仕事の段取り・配置等を行っていくことが、今後必要になってくると同時に、時間当たりの生産性を高める工夫がさらに必要といえます。