従業員満足度と顧客満足度
「従業員満足度(ES)の向上が顧客満足度(CS)を高めることにつながる」と言われますが、その仕組みはどのようになっているのでしょう。ESとCSはどのような相互関係をもっており、最終的に企業利益の向上にどう寄与するのでしょう。
従業員が会社に対し不満を持ちながら仕事をしていては、モチベーションは低く、生産性も下がり良いサービスが提供できないことは容易に想像がつきます。それだけならともかく、例えば、取引先や知人に対して自分の会社の愚痴をこぼしてしまう人さえいます。それを聞いた取引先や知人が、その会社に対して良い印象をもたないことは言うまでもありません。では、逆に従業員の満足度が高いとどうでしょう。モチベーションが高まることにより生産性は向上し、顧客へのサービス水準が高まります。「自分たちの会社や自社の製品が好きだ」という会社へのロイヤルティ向上にも寄与し、それは営業を行う上での自信につながります。顧客もそういったサービスマンからサービスを受けた方が、同じサービスであっても満足度は高いといえます。
結果、従業員満足度向上により、顧客の満足度が向上し(顧客ロイヤルティの向上)サービスの反復購買、口コミ効果などを通じて、企業利益が拡大します。その利益は、社内環境や福利厚生などの従業員に対するサービスの向上へつながり、従業員の満足度がさらに向上するという好循環サイクルが生まれます。
残念ながら、従業員の満足度向上に対し、関心の低い経営者が多いのも事実です。しかしながら、成熟した市場において、顧客のロイヤルティを高めることがより求められる今日、このような取り組みは必要だといえるでしょう。