社員研修に関するあれこれ
新年度になり、新しく従業員を採用した企業もあると思います。5月に入り新入社員の研修も本格的に開始しているころでしょう。社員研修についてよく質問されることを3つ取り上げました。
Q1 業務時間内は忙しいので終業時間後に新入社員向けの勉強会を実施しています。時間外手当を支払わないといけないのですか?
勉強会が会社からの指揮命令下にあるかによって判断します。会社からの命令によって勉強会に参加することが義務づけられていれば当然労働時間であり、時間外手当の支払いが必要です。仮に強制されていなかったとしても、その勉強内容が仕事に直接関係する、不参加者に対しては人事考課等において不利益に扱われるなどの事情がある場合は労働時間と解されます。
Q2 社員に自己啓発ということで読書などを勧めていますが、読書時間も労働時間と言われてしまうことがあるのでしょうか?
自己啓発は社員が自主的に行うものであり、社員教育とは違い労働時間ではありません。例えば、会社から読書を勧められ読書感想文の提出を命じられるようなケースもありますが、自宅で空いた時間を利用して読書をする程度であれば、会社の指揮命令下にあるとまではいえないので労働時間ではないと考えられます。
Q3 社員が資格を取得するための費用を一部負担していますが、これは給与にあたるのでしょうか?そうなった場合、所得税が課税されるのでしょうか?
その資格が業務上必要なものであり、その費用が適正なものであれば、給与所得として課税はされません。労働に対する対価ではないので福利厚生費あるいは研修費として処理するのが適切と考えられます。