空き家問題
総務省が7月29日公表した平成25年家と土地の国勢調査速報によると、前回調査の5年前に比べて空き家の数が6万戸増加(8.3%増)し、820万戸となりました。また、総住宅数に占める空き家の割合は、13.5%と過去最高となっています。長野県はと言うと、別荘等の二次的住宅を除く実質空き家率は全国16番目の14.6%となっています。
空き家を管理しないまま放置していると、建物の老朽化に伴う倒壊の危険性や治安の悪化、放火の誘発、不審者の侵入、害獣の発生などの問題が生じてしまいます。
このように全国的に問題となっている空き家ですが、これに新たな価値を生み出す試みも行われています。空き家をリノベーションによって再生し、これを活用するという方法です。空き家を単にリフォームして販売するのではなく、買い手のライフスタイルや趣向に合わせたリノベーションを行い販売するというものです。
平均所得が伸び悩んでいる昨今、新築にはちょっと手が出ないという消費者でも、新築ほどコストのかからないリノベーションなら購入の対象に挙がってくるのです。単なる中古住宅でなく、理想に近い住宅が手に入るという新たな選択肢が生まれるという訳です。
住宅販売が伸び悩む昨今、問題となっているものを問題として捉えるのではなく、それを上手く生かす方法を考えてみることが必要ではないでしょうか。
(新建新聞 2014年8月5日 参考)