商品(人材)は滞留していませんか?
社員を採用する理由のひとつに、仕事が忙しくなってきた又は今後の業務拡大のための積極的採用があると思います。労働集約的なサービス業等であれば、人員を増やすことが売上拡大のためには必要なことであり、付加価値を生み出す「人」は「商品」ともいえます。しかしながら、社員を増員したからといって簡単に売上が増えるというものではありません。買い手であるお客様が必ずしも購入してくれるとは限らないからです。ただ、その前にそもそも「商品」である人材がまだ仕掛品のままで、未完成ということはないでしょうか。
新卒のような経験もない社員は「仕掛品」どころか「原材料」の段階です。製造ラインに乗せて不良品とならないよう工程管理(人材育成)をしていく必要があります。まだ製品になっていないので、ここで焦ってもすぐには売上にはつながりません。逆に、経験も十分にあり即戦力として採用した社員であれば、すこし焦った方がいいかもしれません。製品として完成しているのに「商品在庫」として売れ残っている状態です。そのまま「不良在庫」になってしまうやも分かりません。
重要なことは、社員が現在どの課程にいるかを判断し、それに適したマネジメントを行っていくことです。焦って未経験者を未完成のまま市場に投入しても、結果が出ないことは当たり前です。製造業に例えるなら、不良品にならないよう、途中で滞留していないかを確認しながら生産リードタイムを短縮していくことが大切です。商品として完成したら、あとは売って売って売りまくるのです。
商品として完成する(一人前にする)までは、まだ投資であり資産です。ただ、それが不良品になってしまったり、製造を途中で中止してしまえばコストになってしまいます。管理者はそのことを意識しながら人材育成を進めていくことが大切です。