医療法人の相続対策
08年税制改正大綱に盛り込まれていた「新しい事業承継税制」から医療法人が除外されることが明らかになりました。
改めて「新事業承継税制」の概要をお知らせしますと、一定の条件を満たすオーナー会社の株の相続税課税価格を80%オフにして、相続税負担の大幅な軽減により事業の承継を行いやすくしようとするものでした。(詳細は@プレジデント第194号『画期的!新しい事業承継税制』を参照ください。)
経済産業省の要望により財務省が打ち出した画期的な税制でしたが、厚生労働省は医療法人の事業承継については、同省独自に「出資額限度法人」や「出資持分のない医療法人」制度などの受け皿を準備、整備していたことから、その適用を要請せず、医療法人は完全に「新事業承継税制」の枠外ということになりました。
そのため医療法人の相続税対策としては、従来から行ってきています「計画的な生前贈与(連年贈与)」や「出資の評価額の引き下げ策」を引き続き行っていく必要があります。また場合によっては、「出資額限度法人」や「出資持ち分のない医療法人」へ変更するなどの検討もあるかもしれません。