社会保障制度改革国民会議最終報告書の注目点
政府の社会保障制度改革国民会議の最終報告書がまとまりました。その中で、今回は診療所の経営に大きく関係しそうな二つの項目に注目したいと思います。
一つは「緩やかなゲートキーパー機能を備えた『かかりつけ医』の普及は必須」としている点です。これは、医療を受ける際、まず地域のかかりつけ医を受診し、その後、必要があれば病院を紹介してもらうという緩やかな制度です。
もう一つは、「大病院で、紹介状のない患者の外来受診に、定額自己負担を求める仕組みを検討」という点です。
ともに、これまで叫ばれてきた大病院への集中を是正するためのものですが、前者のかかりつけ医機能に対する評価は実際に2014年の診療報酬改定から早速導入される可能性もあるとされています。
診療所にかかりつけ医としての機能が求められていることは従来から医療業界全体の共通認識だと思います。しかし、これまでのように政府がお題目として唱えているだけではなく、今回の報告書からは実際にそれを担うか担わないかが報酬に関わる時代がすぐそこにやって来ているということが分かります。
さらに、もう一つ重要な視点は、かかりつけ医という存在が浸透すると、顧客流動性は低くなり、新規顧客は獲得しづらくなるということです。
経営環境は日々、変化していますが、今回の報告書を読む限り、次回2014年、さらに2016年の診療報酬改定は診療所経営に大きな影響を与えそうです。