小規模企業共済制度
個人開業医の先生方にとって、節税および老後の資金対策に有効な小規模企業共済制度についてご紹介いたします。
小規模企業共済とは、国が出資している中小企業基盤整備機構が運営する中小企業の経営者のための退職金制度です。共済掛金は、月額1,000円から70,000円の範囲で自由に選択して、あらかじめ積み立てておき、廃業時・引退時に退職金として受け取れます。
民間の生命保険会社の個人年金等に比べて、この共済の最大のメリットは掛金(年間で最大84万円)の全額が所得控除となることです。年末に一年分を前納しても同様に控除することができます。また、受取時には「退職所得」または「公的年金等の雑所得」として税金面で有利に手元へ資金を取り戻すこともできます。
さらに平成23年1月1日以降は、院長先生のみならずクリニックに勤務して給与を受ける奥様やご家族も一定要件を満たせば「共同経営者」として共済に加入することができることとなっていますので、奥様やご家族にとっても有効な対策を打つことができるでしょう。非常にメリットの大きい制度でありますので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
この制度を利用できるのは、個人開業医の場合、常時使用する従業員の数が5人以下であることとなります。ただし、法人成りにより医療法人を設立した場合には、医療法人の役員は加入できなくなりますのでご注意ください。また途中解約にはデメリットもありますので、制度の詳細は、機構ホームページをご覧いただくか、または担当者までご相談ください。