来年の税制改正を占う
陽気が少しだけ秋めいてまいりましたが、12月の税制改正大綱発表に向けての各方面で議論が百出してきました。
1.扶養控除は22歳まで?(自民党税調)可能性:大
22歳といえば、ストレートにいって大学卒業の年齢ですが、その年齢になってもまだ十分な収入がないニートやフリーターまで扶養控除するのは適切でないとの意見から、現実に扶養していても、控除の対象としない方向で検討に入っています。
趣旨が趣旨なので、ニートとはちょっと違う浪人したとか、就業がむずかしい障害者であるとか個別の事情をどこまでくみ取るかはまだ明らかにされていません。
逆に高齢者の扶養は70歳から?とも言われ、こちらはもっと個別の事情をどうくみ取るかが問題です。
2.減価償却制度見直し(自民党税調・政府税調)可能性:来年は中
投資額の95%までしか償却できない現行の制度は、諸外国と比較してもいかにも前時代的で、国際競争力上問題であるとの議論から、見直す方向で検討に入っています。これは思った以上に減価償却を前倒しにできるため、製造業などにとっては朗報です。
3.無議決権株の相続税を軽減(経産省・中小企業庁)可能性:大
中小企業の事業承継を円滑に進めるために、経営にタッチしない議決権のない株式の評価を20%軽減し、議決権のある株式を後継者に集中しやすいようにし、しかもそのオペレーションを生前に行ないやすいよう仕組みを整えるように要求しています。でも20%ではパンチ不足と思います。
4.法人税・所得税・消費税の税率引き上げ(政府税調)可能性:来年は小
景気の回復を背景に、税率の引き上げが俎上に上ってきましたが、まだまだ慎重論の方が強く、ちょっと一安心です。