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月刊未来経営

社長のための経理知識10 キャッシュフローと利益

会社経営で最優先すべきものは次のうちどれでしょう?

1. 利益
2. キャッシュフロー

答えは、当たり前の話ですが、キャッシュフローです。
ではなぜ主従が逆転したのでしょうか。

その昔、大航海時代、商売は一航海で、積荷をすべて売却し、支払うものをすべて支払い、残ったキャッシュが利益、つまりキャッシュフロー=利益という単純な構造でした。
ところが商売の形態が複雑になり、継続企業が前提となると、1年毎に区切って、いわば途中経過の利益を計算する必要に迫られました。その結果、実際のキャッシュの出入りから離れ、一年間の収益はいくらであるべきなのか、またそれに対応する、あるべき費用はいくらなのかという観点から、売掛金や減価償却や在庫などといったコンセプトが誕生し、それが会計技術として定着しました。
結果としてキャッシュフローと利益は一致しなくなったのです。

ですから利益が出ているといっても、それが在庫や売掛金に化けているケースは、よく見かけます。これではせっかく利益がでていても、キャッシュフローがでないため、税金支払いのためにお金を借りるという、ちぐはぐな現象が起こるわけです。
また節税と称して、いらない設備投資を行い、確かに税金は下がったけれども、それ以上にキャッシュフローを失い、何のための努力だったのかと首を捻ったりするわけです。
また、この会計技術が複雑になればなるほど、ある意味、粉飾はやりやすくなり、ばれにくくなりました。しかし如何に在庫を膨らまそうが、売掛を水増ししようが、キャッシュフローをごまかすことはできません。やはり「利益は意見、キャッシュは現実」なのです。

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