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月刊未来経営

社長のための経理知識 13 つくり過ぎ在庫の持つ意味

注意を喚起してもなかなか減らない在庫。今月は「過剰在庫」が何を引き起こすかを考えて見ましょう。

1. 過剰在庫の存在が次第に増えていきますと・・・
2. 最終的には、工場で収まりがつかなくなり、倉庫の建設、そして倉庫までの運搬作業が必要となります。すると・・・
3. 倉庫の中には、倉庫作業員、リフトの購入などが必要となります。すると・・・
4. 当然、中には劣化しサビなどが浮いてくるものが存在してしまうため、倉庫から出す際には、その手直し作業員が必要となります。すると・・・
5. やはり倉庫にストックされているものは、何が幾つあるのかを把握しなければいけないということになり、在庫管理人が置かれます。すると・・・
6. ある程度の量を超えると限界を超え、コンピューターによる在庫管理を何とか導入しようということになります。すると・・・
7. ここでコンピューターがうまく作動しないで、どこかで欠品などが起こると、毎日あれだけ生産していても欠品が起こる以上、要は生産能力が不足しているなどと判断してしまいます。すると・・・
8. 次年度の設備投資案の中に増強計画が織り込まれ、この設備が導入され、さらに在庫は増えていきます。
9. かくしてムダがムダを生む悪循環となります。

こんな漫画のような話はともかく、程度の差こそあれ御社に似たような話は存在していませんか。ムダの悪循環は現場のいたるところに息をひそめています。現場の管理監督者が、ムダとは何かの観念をしっかりもっていなければ、ムダの悪循環はただちに表面化してきます。くどいようですがお気をつけください。

(大野耐一著「トヨタ生産方式」ダイヤモンド社 P97~99をアレンジ)

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