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消費税率UPの議論

「消費税を上げたら景気は悪くなる」と、条件反射的に考える人は多いです。
マスコミも、消費税率のUPは景気が良くなってからという論調ですね。またポロポロでてくる公的部門の無駄遣いを質に、無駄がなくなるまで増税をすべきではないという論理を先行させ、税率UPを先送りしているようにも見えます。

しかし本当に景気は悪くなるのでしょうか。たしかに消費税を上げて、その税収をドブに捨てるようなことをすれば景気は悪くなるに決まっています。しかし、消費税の税収をふんだんに使って、年金、医療、介護、教育、雇用対策、育児サービスなど、国民が不安を抱えている分野に重点的に使ったらどうでしょうか?

それで国民の安心感が高まって、国民の支出が増えるかもしれません。かりに国民の自発的な消費が増えないとしても、消費税で増税してそれをすべて有効に使えば需要は拡大します。

また社会の格差を是正させていくことが今後ますます重要になりますが、所得税の累進性によって所得是正するよりは、社会保障制度によって格差の是正をするほうが有効で、北欧諸国などでも、格差是正はこの方法により対応しています。

もちろん、この不況の中ですぐに増税をしなくてもよいでしょう。たとえば3年後から消費税を1%ずつ、数回に分けてあげていくという政策にすれば、駆け込み需要を促すだけでなく、3年後の税収を前倒しにして、前述の分野や日本の将来のためになるような投資に回すことができます。

選挙も近そうなので、らしくないと思いましたが、大上段に消費税の議論をしてみました。
皆さんはどう思いますか。

(参考文献:危機を超えて 伊藤元重 講談社)

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