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月刊未来経営

会社の承継 その13 経営はアートなのか

経営は「直感」で行うもので、その時々のインスピレーションで瞬間、瞬間の判断を行うものという考え方もあります。ただそれは、ビジネスが小さなときから、経営判断を何百、何千としてきた経験がある創業者だからこそできるワザで、2代目にいきなりそれを期待するのは無理でしょう。

では、どうするか?あの星野リゾートの社長、星野佳路氏がこう言っています。

囲碁や将棋の世界に定石があるのと同じように、教科書に書かれている理論は「経営の定石」である。何も知らないで経営するのと、定石を知って経営するのでは、おのずと正しい判断の確率に差が出る。それは会社の長期的な業績に直結するはずだ。
経営判断の根拠や基準となる理論があれば、行動のぶれも少なくなる。自分の下した決断に自信を持てるようになり、社員に対して判断の理由を明快に説明できる。(中略)

 企業経営は、経営者個人の資質に基づく「アート」の部分と、論理に基づく「サイエンス」の部分がある。私は経営職に就いた当初から、自分にアーティステックな経営判断を行う資質があるとは思っていない。どんな時にも自分の直感を信じることができず、それはあまりにもリスクが大きいと感じてしまう。私は自分の経営手法の中でサイエンスを取り入れる必要性を感じ、教科書を根拠とする経営を始めた。
(星野リゾートの教科書 日経BP社 P14~P15より抜粋)

サイエンス(経営理論)なんて、所詮中小企業の経営現場では役に立たないものと思っていませんか。でも勘と経験と度胸が身についていない2代目経営者は、何を頼りにすべきでしょうか。カッコだけ創業者の真似をするよりも、当たりの確率を高くしたければ、サイエンスを取り入れるべきと私は思います。

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