平成23年税制改正大綱
政府は昨年12月16日、来年度の税制改正大綱を閣議決定しました。
したがって、これが平成23年度以降の税制となる!・・・・というのは昨年までのお話。今年は、ねじれ国会の影響で何一つ税制改正法案が国会を通過しない可能性があります。たとえ参議院で否決されても衆議院で2/3の議席を握っていれば、かつての自民党政権のように法律は改正できるのですが、それもできません。
これが予算だけは衆議院の議決だけで通過してしまうので、子ども手当の増額だけが、財源議論なく支出される可能性すらあります。どこに向かって舵が切られていくのか分らない状況なのに、政権与党の民主党は小沢・反小沢でタケ取りの真っ最中。
ですからこれからのお話はそのおつもりでお読みください。
とりあえず民主党【案】のうち、オーナー経営者に大きく関係しそうな部分は以下のとおりです。
1. 法人税率の引下げ
→概ね5%引下げ、実行税率概ね40%から35%へ。
2. 欠損金の繰越控除期間の延長
→繰越期間を現行7年から9年に延長されます。
3. 減価償却の償却率の引下げ
→例えば100万円の軽乗用車を期首に購入した場合、従来は初年度62.5万円経費に落とせましたが、今後は50万円に縮減されます。
4. 給与所得控除の引下げ
→例えば年俸2,500万円の人は従前295万円認められていた給与所得控除が、今後は245万円に、さらに役員の場合185万円に縮減されます。
5. 相続税の基礎控除を従前の60%に
→遺族が配偶者・子供2人の場合、従来は遺産8,000万円が免税点でしたが、今後は4,800万円が免税点になります。