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月刊未来経営

食料品の軽減税率とインボイス

先週、税制改正大綱が発表されましたが、その中に「消費税率10%引き上げ時に、軽減税率制度の導入を目指す。」と書かれていました。低所得者層に配慮して食料品など生活必需品の消費税率を軽減しようとする制度です。

消費者にとって軽減税率は有利なのかの議論はともかく、このままでは事業者にとって事務処理が複雑化し、間違えが多くなることは容易に想像ができます。そのため複数税率を導入している他国では「インボイス方式」を採用しています。

インボイスとは取引の各段階で売り手から買い手に引き渡される書類(税額票)で、販売額とともに、それに含まれる消費税、消費税率、発行者の納税者番号が記載されています。インボイスの保存がないと消費税額の控除ができない仕組みになります。要は複雑な税率などは無視し、単純にインボイスに書かれた税額の積み上げ計算をして、控除する消費税を計算しなさいというわけです。
それと同時に、インボイスは、脱税(および益税)を自動的に防ぐ機能を果たします。その理由は、消費税を納税しない事業者はインボイスを発行することができないからです。購入先がインボイスを発行できない場合、仕入に含まれる税額を控除できませんので、納税額が大きくなってしまいます。そのため、インボイスを発行しない事業者、つまり納税しない事業者は取引から排除されることになるのです。

軽減税率制度が導入され、マイナンバー法案が成立すれば、日本でもインボイス方式が採用されるのではないかと思います。
これにより事務の複雑化は回避できると思いますが、インボイスの発行、保存などの事務負担や、経理や販売管理システムなどの入れ替え負担は増大します。また免税事業者、簡易課税事業者の方々はいままで享受した益税は享受しにくくなると思われます。

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