次世代への財産移転
平成25年度の税制改正の特徴は、相続税と贈与税を相当にいじったことだと言えるでしょう。
改正点をかいつまんで言えば、相続税を高くする一方、贈与税は減税とすることで、早い段階での子や孫への財産移転を促し、若い世代に大いに、そして有効にお金を使ってもらいなさいというわけです。
背景には以下の2点の理由があります。
①高齢者が万一のために備えて使われない預金(1,200兆円)を世に出し、金めぐりをよくするため。
②格差社会が叫ばれていることから、相続税の課税強化によって最終的な富の再分配機能を強化するため。
影響が大きい改正点を具体的に紹介いたします。
<増税措置>
①相続税の課税最低限を従前の60%に。→課税ベースの引下げ
【配偶者+子ども2人の場合 旧8,000万円→新4,800万円】
②相続税の税率構造の見直し→富裕層に対する課税強化
【6段階→8段階、最高税率50%→55%】
<減税措置>
①教育資金の一括贈与の非課税→子や孫への財産移転
【30歳未満の子や孫に教育資金を贈与した場合1,500万円まで非課税扱い】
②贈与税率構造の見直し→子や孫への財産移転
【20歳以上の子や孫に贈与した場合、税率を下げる】
この法律改正は、ほとんどが平成27年分から適用されますが、教育資金の贈与は本年から適用です。まだ詳細は不明ですが、興味のある方は続報に注目してください。