日本版ISA【少額投資非課税制度】
アベノミクスが功を奏し、株価が上がり、大口の投資家ばかりでなく、多くの一般個人からも証券市場の動向に多くの関心が寄せられています。ここで証券税制については、来年以降大きな変化が予定されていますので、ご注意ください。
1.上場株式に関する軽減税率の廃止
現行税制では、上場株式の配当金や売却益に対する税金は、原則10%の軽減税率で分離課税されています。しかし来年1月1日以降は、原則として20%の税率(いわゆる原則税率)で分離課税となります。
まだ4月ですが、単純比較としては今年課税を受けるのと、来年以降課税を受けるのとでは税金が倍ですから、相場とは別の視点からウリ時は考えどころです。
2.日本版ISAの創設
来年から日本版ISA【少額投資非課税制度】が導入される予定です。
1の代わりと言うわけではありませんが、少額の証券投資で生じた配当金や売却益を非課税扱いするための非課税口座の開設を認める制度です。
昔、預金利息の非課税口座として「マル優」というのがありましたが、その証券投資版と言った方が分かりやすいかもしれません。
年間100万円までの投資を1口座とし、5年間5口座まで開設できます。
非課税口座内の取り扱いは以下の通りです。
・配当金→非課税
・売却→いつ売却するかは自由。
・売却損益→①売却益は非課税、②売却損は課税口座の益との損益通算不可
・売却代金の非課税口座内での再投資→不可
一般的には長期投資目的、配当目的の株を預けるのに良さそうな制度です。