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月刊未来経営

パソコンとネット

失われた10年、20年と言われながら、毎年のように生活水準は向上しています。食べ物は美味しくなり、着る物も安くて質もセンスも良いものが溢れています。
この理由はパソコンとネットにあると思います。パソコンとネットが出現したころ、これで働く人の余暇が増えると予測しましたが、現実は逆で、作業効率が倍増した分、その余裕もまた仕事に注ぎ込まれ、今までの倍以上の速度で商品やサービスを作り出せる社会が実現し、それが生活レベルの向上として還元され続けているのではないでしょうか。

しかし一方で、パソコンとネットの時代は格差社会を生み出しました。パソコンによる作業効率の上昇で、生産性を高めて所得を増やせた人たちと、その人たちに職場を奪われた人たちの貧富の差です。昔は一般事務員や工員になって真面目にさえ働けば、それなりの所得と昇給を期待できましたが今はそうした仕事が急速に減っています。
商店街を見てもパソコンとネットの威力を実感できます。物流、情報、品質管理にパソコンとネットを利用する店舗は成長し、それ以外の店舗の経営は厳しいです。町の小売店、不動産仲介業者、個人の飲食店の経営が厳しく、フランチャイズの店舗が増え続けるのもそのためではないでしょうか。

このような環境下で生き残る方法は2つです。
パソコンとネットを活用して限りなく生産性をあげることに挑戦すること。
パソコンやネットとは無縁の人が織りなす部分、人しかできない部分にスポットをあて、そこの部分を磨きに磨いて、他社では真似できないものにすること。
あるいはこの2つの組み合わせです。
少なくともパソコンやネットでの生産性の向上は面倒だし、人による新たな価値の提供もおぼつかないとなれば生き残りはあり得ないと思います。

(参考:税理士のための百箇条 関根稔著 財経詳報社)

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