土地に対する相続対策
当社本社地の路線価を遡れるだけ遡ってみました。するとバブル崩壊後しばらく経った平成7年当時190,000円/㎡から、平成26年現在55,000円/㎡となんと約1/4にまで下落していました。この結果を踏まえ、平成7年当時におこなうべきだった相続対策を考察してみました。
机上の空論だけをいえば、平成7年当時高値で売却し、平成26年に買い戻せば、譲渡所得税を考慮しても、実に2.5倍もの面積の土地が買えました。相続税を払ってもおつりが来ます。みごとな対策とは言えませんか。実際に使っていない土地であれば、この発想は悪くなかったと思います。
実際に使っているとすれば、「何もしないこと」が、一番リスクがなく、着実な対策であったと言えます。評価が1/4になれば、税金は超過累進税率ですから、それ以上に下落し、こんな程度の相続税ならば土地を売らなくてもきっと払えることでしょう。
逆に相続対策でアパートを建てていたらどうだったでしょうか。
おそらくローンは20年では返済できませんから、まだ借金が残っていることでしょう。それに築20年のアパートですから、今まさに空室リスクと向き合っているのではないでしょうか。ひょっとしたら借入を埋めるために、他の土地を売っているかもしれません。
すべての未来が見えていれば、必ず正しい選択をすることが可能です。しかし実際は未来が見えません。さて平成26年現在に親の土地に相続対策をおこなうとして、皆さんはどの方法をえらばれますか。
そもそも土地の相続対策は、「土地を守る」ことが目的です。先祖から「預かった土地」を減らすのはいけないという土地へのこだわりが対策をおこなう多くの方の動機です。このこだわりを捨てないと真の意味で土地は守れないかもしれません。